カカオ研究所 cacaoken

レポート

元祖モレソース発祥の街、オアハカ レポートPart1

2020.09.20
メキシコ南部に位置するオアハカ州。世界遺産にもなっている、中央アメリカ最古の遺跡モンテ・アルバンや隣のチアパス州には、パレンケ遺跡があります。カカオを神々のお供え物や通貨、身体への栄養効果など、神秘的パワーの象徴として珍重していたマヤ文明が繁栄した地域でもあります。
現在では、先住民人口が一番高い洲で、今も尚、伝統文化が残っている地域としても知られており、風情あるコロニアル調の街並みも各地で見ることができます。

元祖モレソース発祥の街、オアハカ レポートPart1
↑メキシコ風バロック建築の代表作、サントドミンゴ教会

普段から街の人達は、“ウイピル”と呼ばれる村ごとに違った色や刺繍がされた色鮮やかな伝統衣装を着て生活をしています。また、コパルの木で作られた“アレブリーヘス”という木製のカラフルな動物の置物や、その他、陶器や金属品も有名で、オアハカは民芸品の宝庫。街を歩くだけでも楽しい気分になります。

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↑日本の干支のようにメキシコでも誕生日からみるそれぞれの動物があり、その動物のアレブリーヘスを飾ると自身を守ってくれる言い伝えがあるそう。

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オアハカ郊外、ディズニー映画「リメンバーミー」に登場するお母さんモデルがいるハコボさんとマリアさんの工房。
何カ月もかけて、職人たちが作品を仕上げていきます。特にハコボさんの技術は素晴らしく、今は同じような技術を持っている人は少なく職人も減ってきているそう。作品はとても貴重で、限られた数量しか作られておらず、これからもっと価格が高騰するだろうと言われています。

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↑コパルの木を少しずつ削って、動物の形にしていきます。滑らかな曲線が美しい。

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↑とても繊細なデザインを下書きせず、描いていきます。その職人の感性が光る作業なので、修行をして認められた者しか任されません。

そして、オアハカは食の街としても有名です。
メキシコの伝統料理はオアハカから全国に広がったと言われているくらい、色んなメキシコ料理が生まれました。食材が豊富なこともありますが、マヤやサポテカ文明が築かれた歴史的な背景も関係しているかもしれませんね。
オアハカの市場で特に惹かれたのは、各店オリジナルのモレソース!しかも、いろんな色と味があります。オアハカのモレソース種類として、Mole-Negro(モレ・ネグロ)、Mole-Cororadito(モレ・コロラディート)、Mole-Rojo(モレ・ロジョ)が有名。
モレソースについて詳しくはこちら

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それぞれお店独自の配合で作られたモレソース。こちらすべて水分が飛ばされているので、購入後は家庭でチキンスープやその他水分を入れて温め粘度を調整します。
まさしく日本の味噌みたいな感じですね!

新鮮な野菜や果物、日本では珍しい唐辛子やイモムシ?!も売られています。

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↑メキシコの唐辛子は、料理に欠かせない材料。それぞれ料理に合わせて使い分けます。
辛くない唐辛子もあり、香り付けに使ったりもします。

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↑赤いイモムシを乾燥させたもの。

メキシコでは昆虫食文化が根付いていて、一番食べられているバッタは養殖までしているそう。唐辛子とニンニク、ライムと一緒に揚げて、スナック感覚で昔から食べられています。最近、昆虫食は未来のたんぱく質として注目されていますよね。
赤イモムシは特に癖が強く、日本人にとっては表現が難しいパンチのある味なのですが、サルサやお酒に入れられ、味に深みを増す役割があります。
フライパンで表面をしっかり焼いて、青トマトや唐辛子、玉ねぎ、ライムなどを合わせて作ったサルサは、コクがあって美味しい。今回は、シンプルに蒸した野菜やトルティージャと一緒にいただきました。

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オアハカ名産のチーズ、“ケシージョ”。
熱湯の中で練りながら、グイグイ伸ばしてまとめるを繰り返し繊維を作り、長い帯状のチーズを作ります。それを最後に手毬の糸を巻くようにクルクル丸めて出来上がり。
繊維状に沿ってさけて食べるチーズ。何だか日本のスーパーでも見たことあるような・・・。
そうです。実は、日本でも大人気のさけるチーズ、このオアハカチーズの発想から商品化されたものなのだそうです。

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↑市場の中で作りながら販売しているので、とても新鮮。

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↑出来立てのチーズを買うことができます。

ミルキーだけどクセがなく、塩味が効いてしっかりとした歯ごたえ。そのままおつまみとして、また料理に使っても美味しい万能チーズです。

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名物料理“トラジューダ”もオアハカ料理の一つ。
大きなトルティージャに豆のペーストをぬって、お肉や野菜、たっぷりのオアハカチーズ、ケシージャを割いてのせたもの。オアハカのピザって感じですね!

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そして、オアハカで毎年7月に行われる最大のお祭り、ゲラゲッツァ祭も有名です。
ゲラゲッツァは先住民の言語で「助け合い」の意味があり、元々は先住民が豊作を祈って行われていた祭りで、現在は祝祭行事、伝統舞踊フェスティバルとして開催されています。
本番は1日2回、2日間にわたって、色鮮やかな伝統衣装をまとった7つのメキシコ伝統舞踊を大きな会場で観賞するのですが、このお祭りの本番1週間前から街中の特設会場で見ることができ、今日が本番?と勘違いするほど街全体が盛り上がります。

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↑飛行機を降りてすぐゲラゲッツァ祭の広告が!

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↑街の特設会場にて、オアハカ伝統舞踊を披露

本番はオアハカの街の北西フォルティンの丘にあるこちらの大きな会場で行われます。

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本番は行けてないのですが、この期間中の街の雰囲気でも十分に楽しむことが出来ました。
そしてこの大盛り上がりのゲラゲッツァ祭と同じ時期に開催されるのが、今回のお目当て、モレフェスティバル。

先住民文化が色濃く残るオアハカは、世界遺産や伝統工芸品を製作する工房などが近郊にあり、見どころ満載。日本人には珍しい食材や料理もあり、世界にはまだまだ知らないことが沢山あると実感しました。今後の商品開発のヒントにもなりそうです。

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